融資交渉・戦略のプロ カーター校長

これから大家さんになって自分の夢を実現したいという人の力になったり励みにしてもらえるように、先輩の大家さんの声をお届けする「先輩大家さんインタビュー」
本日のゲストは、融資交渉のカーター校長
●カーター校長プロフィール
河田康則(かわた・やすのり)
サラリーマン大家さん。姓のカワタから「カーター校長」の愛称で慕われている。
1979年、香川大学経済学部卒業。生命保険会社入社。営業職、支部長、支社長と営業畑一筋に勤務する傍ら、1986年より株式投資、1993年より不動産投資に挑戦し、倍々で資産を増やし続けるカリスマ投資家。
FPの関係から税理士、公認会計士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、不動産売買業者、賃貸業者、ファンドマネージャー等の人脈が広く、とくに都銀の融資に精通し、銀行から頼まれて投資家を銀行に紹介する機会も多い。
なお2013年5月、ブログにてカーター行列の法則で株の暴落を的中させ話題になった。
・Blog: http://ameblo.jp/kater130/
・Facebook: https://www.facebook.com/yasunori.kawata.9
・著書:『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』
この記事の目次
清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちでスタート
| ―カーター校長の簡単な経歴と不動産投資の実績を教えていただけますか?
投資のほうは大学を卒業しまして、株式のほうから入りました。株をやって少し相場を勉強してから不動産をやろうと決めていました。
株を始めたのは、1986年に政府がNTT株の一時放出をしたときからです。全財産が200万円ぐらいのときに、NTT株を119万円で買いました。
「下がったらどうしよう」とかすごく悩みながら、
「いいや」と清水の舞台から飛び降りるくらいの気持ちでスタートしました。
これは、それなりにうまくいきました。それからは結構失敗もし、たまに成功もしながらという形で新規公開株の投資を結構やりました。
あとJASDAQや東証1部、それから邱永漢さんの影響もありまして、中国株では上海B株とか香港H株といったところをやりました。
最近では、お声掛けがあったこともあり、ファンドのほうにも投資をしています。
不動産投資のほうは、1993年からです。
福岡のワンルームマンションからスタートしました。
今思えばワンルームがいいかどうかは微妙なところなんですけれども、ともかくそこからスタートしました。
それから東京・目黒の都立大学駅の近くのワンルームを買い、広島で鉄骨造りのマンション一棟を買いました。鉄骨造りはここから始まりました。
あと東京・板橋と札幌でRC造りマンションを一棟買いました。
最近は東京の戸越銀座と武蔵小山の中間ぐらいのところに借地権で軽量鉄骨のアパートを建設中です。
両駅の中間なので名称をどちらにしようか悩んでいます。いま基礎ができたところで、6月ぐらいに完成する予定です。
融資と相場
――いろいろと幅広く物件を持たれているのですね。
そうですね。
融資の本を書かせていただいておりますが、そこで書いたように、融資に沿うように展開をしています。融資と相場ですね。
やはり不動産は相場があるので、買ってはいけないものと買いやすいものがいろいろあると思います。その流れで融資を基本に買っています。
|――不動産投資を始めようと思ったきっかけは何ですか?
私はもともとサラリーマンですので、サラリーマンが本業の他にできることは、株と不動産しかないんですね。あとは兼業の禁止にかかりますので、基本的にはできません。
会社によっては株と不動産もある一定以上持ってはいけないという制限がある会社もありますので、そこはご自身で会社のコンプライアンスにのっとった投資をやっていただきたいと思います。
私もそのへんが大丈夫だったのを確認して、楽しく投資をやらせていただいております。
|――株式投資と不動産投資の違いは何でしょうか?
私の場合、基本的に株は現金で、不動産は融資を受けてやります。
株は上がり下がりの動きが結構激しいですが、不動産のほうはそんなに動きが激しくないので、結構のんびりした自分の性格に合うんじゃないかと思っています。
不動産も下がるときには下がるのですけれども、株のように動きが激しくなく、上がる時ものんびり上がって下がる時ものんびり下がります。
そして、株のほうが先行指標となっていますから、株が動いてから不動産が動くので、不動産は値動きが読みやすいというところもあります。それとやはり、融資によってレバレッジがききますから、その分利益が大きく取れるということもあります。
銀行が株には融資しないけど不動産には融資するという点を考えてみても、不動産投資と言いますが、実は銀行は不動産を事業として捉えています。
銀行に行くときには事業をするという認識で行かないと、「ちょっとこの人大丈夫かな」と思われてしまいます。安定性を自分である程度コントロールできるというところが不動産投資の良いところじゃないかと思います。
|――単なる投資ではないということですね。不動産投資をやられて、内面のことや生活面でどのような変化がありましたか?
私は株にしても不動産にしても、もともと好きだったので楽しいと思いながらやっています。結構失敗もするのですけれども、それも楽しいと言うか「次はこういうふうにやらなきゃ」と思って自分が成長していきますよね。
投資を通じて失敗もするので、それによって自分が成長していくので、私は結構な歳になりましたが、この歳でもさらに成長していきたい、死ぬまで成長したいという気持ちでいられるので、これは非常に良いんじゃないかなと思いますね。
――楽しくできるのが一番いいですよね。
銀行は堅実なのが好き
| ―不動産投資で苦労されたこととか、リカバリできないような失敗をしたことなどはありますか?
不動産を持たれていたら分かると思うのですけれども、苦労するというのは客付けをすることです。一番ドキッとするのが、「来月から空きます」という電話が入ること、これが苦痛といえば苦痛ですかね。「ドキッ」とか「ガーン」っていう感じですよね。
そんなこともあるので、今度手がけている新築物件においては、良い悪いは別にして収入を安定させるという意味で、サブリースをかけています。
さらに入居者が出入りした時の修繕費も、1部屋1,000円という形で保険みたいに積み上げています。こうすると収入が安定するわけですね。支出のほうで一番大きいのは金利だと思うのですけれども、金利も10年の固定金利をひいて安定させています。
やっぱりこれから金利は大きく上がる可能性もあるので、そこのリスクを避けてわりあい堅いモデルを作ってみようかなということで銀行のほうと話をしています。銀行のほうもそういう堅い話は好きですから(笑)。
リスクは全部保険にかけているようなものですから、利益は少ないのですけれども安定性はあります。そういうモデルで運用するのがいいのかなということで、1回やってみようかなと思っています。
これでよければ、まあまあお話しできるかなというふうに思っています。
――できるだけ安全に運用していけるというのは大切ですよね。
もともとリスクはあることなので、そのリスクに対して常に考えられる答えを持っておけばそんなに怖くはないですし、サブリース契約は当然お金は減るわけですけれども、保険をかけているようなもので確実にリターンがきます。
サブリースもコストが高ければ問題ですけれども、新築のサブリースだと非常に安く受けてくれるので、それだったら安定して運用できます。
物件としてはもともと安定はしているので、サブリースの受託側もそんなに取りません。そういうところで安定したモデルを作るというのも一つの手かなと思い、ちょっと試してみようかなと思っています。必要はないかもしれないのですけれども、やってみていろいろ気付くことがあるので。
カーター校長の投資戦略
|―カーター校長がやってきた投資の戦略や手法について、どういう考えで進められてきたのかをお話いただけますか?
投資で40万円とか100万円の収入を得たいという思いは皆さんもあると思います。
私も同じような形で収入を持ちたいと思っています。
その収入を持つためには、ずっと融資を受けて買い増しをしていかないといけないということです。
現金で買える人はそんなにいないので、買い増すためには必ず融資が必要になります。
じゃあ逆に融資が付くようにするにはどういうふうに買っていったらいいんだろうというところをしっかりと勉強しました。銀行に行っていろいろと教えていただきました。
いろいろな銀行に行くとそれぞれ言うことが違うのですけれども原則は一緒です。
私は都心の周辺の板橋とか、札幌は少し周辺すぎますけれども、都心周辺の中古のRC造りから買っていき、そこからずっと都心の新築に向かっていきました。いま都心の武蔵小山あたりに新築のアパートを立てているのがそれです。
そうすれば、比較的融資がきくのです。そういう買い方をしようと思って方針を決め、実際にそれをやっているという感じです。
――それが続けられるコツなのですね。
時代とともに投資の方法は変わるのですけれども、金融資産と年収によって、自分の属性が分かれますね。その中で自分の属性に合う投資の仕方があるので、それに合わせて買い方を決めます。
私の場合は属性には関係ないですけれども、都心周辺から固めて都心部に入っていき、新築にしていけば管理が楽になってくるし資産も増えるので、そういう買い方をするようにしています。
私もいきなり六本木にボーンと買いたいのですけれども、それを買うと融資が付かなくなって次が買えなくなるんです。ですから都心周辺の中古物件でキャッシュフローが出るものから始めて、だんだん都心部に入っていくというふうな形で融資を継続してもらうということが大事ですね。
――まずは自分の買える戦略を見極めた上で、そういった形で投資をしたら続けられると。逆算をしながら買っていくという形ですね。
融資の原則は三つ
|カーター校長はいま、『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』を出版されていますけれども、こちらのほうで、「変わらぬ原則と変わる融資を知ることが大事」というお話があったと思うのですが、具体的にどういったことなのでしょうか?
融資の原則は三つあり、これは変わらないのです。
しかし現場の融資というのはコロコロと融資の条件が変わってくるのです。だから現場のいまの状況を知らないと融資が分からないのです。よく銀行の融資は難しいと言われるのですけれども、それはなぜかと言うと、銀行員が言うことがどんどん変わってくるからです。何が基準でどうなっているのかが分からないのです。
でも、まず押さえなければいけないのは三つの原則です。それを押さえておくことです。
・具体的に原則1は、「儲かりますか」ということ。
銀行の立場から見ると、キャッシュフローがたくさん出る物件であることが一番大事です。
・原則2が資産超過であること。
銀行としてはしっかり儲かっているということが一番大事ですよね。そうすれば支払いに困ることはありません。
でも、万が一支払いが困った時のために、原則2を押さえているわけですね。資産の額から負債を引いたものが純資産なのですけれども、その純資産が厚くあればあるほど有利ですが、逆に資産額から負債を引くと、債務超過で負債のほうが多くなるケースもあるのです。資産というのは物件と金融資産を足したものなんですね。
物件というのは買った金額ではなくて、銀行が評価する積算あるいは収益還元という評価なので、銀行の評価によってはぐっと下がる場合もあるのです。そうすると融資金額がぐんと超えて、債務超過になるというケースもあるわけです。こうすると、もう次の融資は絶対にダメです。
原則1は儲かるかということ、原則2は債務超過でないかということ。
・原則3は、ある程度経営ができるか
基本的に満室にするにはどうしたらいいかとか、金利が上昇する場合に対してはどういうふうな対策を考えているかというように、不動産を持っていて、基本的に必要な知識とか、あるいは誠実な人であるといったようなところを見られると思います。でも特に大事なのは原則1と原則2です。これが一番で、これは変わらないんです。
変わる融資というのは原則1の中でしたら算式があるのですけれども、その算式を少し緩めたり締めたりします。原則2のほうであれば、純資産の部分が厚くないといけないとなると融資が締まるわけです。このように変わるわけですね。
銀行は締めようと思ったら、純資産が厚い人じゃないと貸しません。
一方緩めようと思ったらギリギリでも貸すというふうにすれば融資は緩むわけですね。そこは金融情勢によったり、銀行の決算時期によったりと、いろいろな状況で変わります。
ですので、原則は変わらないけれども、融資が付くか付かないかは時々の状況によって変わります。
極端な話、3年前と今では融資はかなり緩んでいますので、私がメガバンクで交渉して融資を受けられるようになって本を出させていただいた頃は、結構厳しかったんです。今はわりあい緩んでいます。ただし、「金利1%」で書いているのですが、私が一緒にやっている仲間は、紹介したら金利0%で融資を受けているので、私よりも良い金利で受けているのでやれやれという感じです。それぐらい変わってきているのです。ただこれは、締まったら逆になりますね。
――そういった変わらない原則を押さえつつ、現状を把握しておくことが大事だということですね。
そうですね、今を知っておかなければいけません。そうすると、銀行が大体分かるので、それに対して融資を受けていけばいいのです。逆にその融資に合う物件を紹介してもらって買っていけばいいということですね。
不動産投資の三つの山
――そういった選定の目を養う必要もあるということですね。
そうですね。まず融資を知った上で、次に物件が来て、その次に管理が来るというふうに思いますね。融資と物件というのは表裏一体で、ほぼ一つなんです。
本の中にも書いてあるのですけれども、不動産投資には、物件の山、融資の山、管理の山という三つの山があって、この山を越えていく必要があるのですね。それを越えていくのがまた楽しく、たまに苦痛だということです。
1棟目が大事
――やっぱり、融資と物件の選定というのは密接な関係があるということですね。
| ―本の中にも書かれていましたけれども、初めての方は1棟目までは買えても、2棟目、3棟目を買うときにどうしても融資が下りなくて買い続けられなくなってしまうという方が結構多いと思うのですけれども、この違いというのはどういったところにあるのでしょうか。
これも融資の三つの原則が理解できれば簡単な話で、要は1棟目を買った時に、買った金額と融資残高が逆転する場合があるのです。
買ったのは1億で融資残高が1億というのが普通だと思うんですけれども、実は買った金額は1億なんだけれども、銀行の評価では、7,000万円しか出ないことがあります。融資残高は1億だということだったら3,000万円の債務超過になるのです。こういうものを買うと、この人は次から融資が受けられません。
例えば金融資産が3,000万円マイナスでも、金融資産が5,000万円あればプラスになりますか
ら、それをすれば買えるんです。
でも金融資産のない人は買えないということになるわけです。逆に買った物件は1億で1億の債務残高があっても、銀行が1億3,000万円の評価をする物件もあるわけです。という事は、この人は買った瞬間に3,000万円プラスになっているわけです。すると純資産がプラスになっていますから、次も融資がききます。
1棟目が大事だというのは、ここで失敗すると次が買えないからなのです。
金融資産を持っている人であれば、1棟目を失敗しても2棟目を買えるのですけれども、もう次の3棟目は買えません。
こういう形になるので、銀行の積算評価と収益還元評価というのをしっかりと理解してください。本の中でもできるだけ分かりやすく書いたつもりなんですけれども、本全体の中で一番難しいと言われるので、何回か読んでいただくと分かるのではないかと思います。投資をしてどんどん買っていく人は、そこが100%近く分かっている人が買い増しをしていくことができますので、ぜひご理解をいただきたいと思いますね。
――今後、物件を買い続けるためには、まずは銀行の評価のところをしっかり分かった上で物件を購入していくということが大事だということですね。
カーター校長が考える今後の不動産投資とは?
| ―カーター校長が考える今後の不動産投資についてお話をいただけますか。
不動産投資にはいろいろなリスクがあります。
大きなもので空室のリスクと経費のリスク、それからもう一つは、相場のリスクというのがあると思います。ですから、空室とか経費というのは物件をしっかり見ていけばいいのですけれども、相場は上がり下がりをします。
私は昔から結構やってまして、バブル前から株式投資を始めてバブルが崩壊して、不動産もミニバブルがあったりバブルが崩壊したり、いろいろな流れを見ています。その中で消えていく人もいたし残る人もいます。私はギリギリなんとか残っているんですけれども、残るためにある程度相場観は必要で、特に不動産の場合はロットが大きいので間違えると大変なことになります。
最近の人はアベノミクス前に始めた人が多いので、すごく利益が出ていて、不動産は何でも儲かるんじゃないかと思っている人が多いかもしれません。私も結構ミーハーなところがあって錯覚しやすいのですけれども、そこは錯覚してはいけないと思っていて、やはり必ず上がったものは下がる時が来るので、その辺のところを見極めながら投資していかなければいけないというところが大事です。
私の場合は、都心周辺の築古のRC造りから買っていきました。それを持つとキャッシュフローがなぜいいかというと、原則1と原則2の評価が出るからです。
今は中古のRC造りはちょっと高くなりすぎているのでオススメではないのですけれども、ちょうど2~3年前ぐらいまでは一番そういうのを買えた時代で、それだったらだーっといくらでも増えるという時代だったんですね。その予定だったのですけれども、参加者が増えすぎました。
不動産物件情報サイトの「楽待」とかを見ると読者が1.6倍ぐらいになっています。すると参入者も1.6倍ぐらいになっているので、中古のRC造に人気が集まりすぎていると思いますね。新築とあまり変わらないぐらいになっているんです。という事は、新築を買ったほうが経費がかからないですし入りやすいですから、新築をやったほうがいいと思います。
でも新築は新築で、やはりそれなりに積算が基本的には毀損するので評価が出ないので、いきなり買ってしまうと次が買いにくいのですけれども、ある程度買って余裕があるとそこを減らせますけれども、買うことができるという組み合わせができるということでやっていこうかなと思っています。
これから始められる方でしたら、ある程度資産があればそういう形もできますけれども、あまり資産がなければ中古アパートとかでうまく積算が出るものを買っていくところからスタートしていく戦略を考えていったら良いと思います。個人的にはそんな感じで、周りから中に攻めていこうと思っています。
――うまくリスク対策ができていらっしゃるのですね。
リスク対策ができているかどうかは分からないですけれども、自分なりには努力をしているということですね。
――やはりどうしても空室とか価値の下落といったリスクがありますが、その辺を見越した上で戦略を持っていくということが大事だということですね。
そうですね。特にやはり融資ですね。やはり買える買えないかは融資が付き続けるかどうかなので、融資の状況をしっかりと理解して、それに合わせて物件を作っていくということが大事だと思います。
| ―たくさんの物件を購入されている中で、不動産投資によって夢が実現できたとか、やって良かったなと思う事を教えていただけますか。
私は不動産投資が好きなので、楽しいというのが一番にあります。
それとやはり仲間と一緒にいろいろ意見を交換しながらやるのが楽しいですし、私は教えるのが好きというのもあるので、基本的に相手の役に立つことを一生懸命話をするようにしているのですね。人にもそれをしなさいといつも言っているのですけれども、そうすると人って必ず返してくれるんですね。
別に期待しているわけではないのですけれども、返そうとしてくれます。そうするといい情報がずっと集まってくるのです。それが一番良かったかなと思います。ちょっとした情報で収益がすごく変わるということはよくあるので、やはり常に人に真新しい良い情報を与えて、良い形のものを作っていただくよう努力はしていますね。それが仲間とワイワイ楽しくやっていけるポイントだと思います。
――仲間と一緒にワイワイ話しながらやれる事業というのはなかなかないですね。そういった意味ではすごく魅力があり、人脈も広がり情報も入ってくるところが魅力ですね。
| ―カーター校長にとって、不動産投資とは何でしょうか?
難しい質問ですね。自分を磨いてくれて、人を知ることができ、知識も増えますし、仲間も増える。人生を楽しくしてくれる非常にありがたいものだなと思っています。元気な限り、これからもずっとお付き合いさせていただきたいというのが不動産ではないかと思っています。
最後に
| ―最後に、今頑張っている大家さんやこれから始めたいと思っている方へのメッセージをお願いします。
私が言うほどのことではないと思いますが、やっぱり最初によく勉強されるということが必要かと思います。
本箱四つぐらいは本を読んでいるという事を話したことがあるのですけれども、本箱をメーター単位ぐらいで読んでいます。そうすると同じ事が書いてあることが分かります。人それぞれいろいろなことを書いているのですけれども、その中でキーワードというか、同じようなことが書いてあります。それが真実だと思うんです。
勉強してたくさん本を読むと、その中から真実が見えてくるので、それが正しいのかなということだと思うんです。
それと、自分に合ったメンターを見つけて、その人の話をよく聞くというのも大事かなと思いますね。
本の中でも書いているのですが、成功の法則というのがあります。
メンターが引っ張ってくれて、自分自身が一生懸命走って、頭の上にピーンと電球が光っている絵が書いてあります。これはどういうことかと言うと、一生懸命走るというのは、やり方です。やる気、やり方、考え方だと思うのですけれども、やり方の部分はノウハウですから、いろいろなものを読めば手に入ります。これも非常に大事です。一番聞かれるのはノウハウです。やり方をマスターすれば一度は成功できると思います。
けれども実はもっと大事な事は、成功し続けるにはやる気と考え方がその上に来ている必要があるということです。「頑張ろうかな」と思った時、ものを始めようと思った時って意識高いですよね。やる気は高いんですよ。ところが、これはだんだん落ちてくるんです。これは、人間は誰でもそうなんです。どんな優れた人でもだんだん落ちてくるのです。その落ちたものを上げる方法を知っておくということですね。
例えば、ワクワクする目標を持っておけば、それに向かってやっていけるし、それから成功曲線というのがあるのですけれども、頑張った努力と結果が正比例してくれれば一番良いですよね。でも世の中こうはならないですよね。努力しても結果のない時代が続いていますよね。
例えばテニスとかもそうですけれども、努力ししてもなかなか勝てない、いくら練習しても勝てないけれども、ある日突然ポンと勝てるようになる。そうするとその相手には結構勝てるようになる。今度はまた次の相手には勝てないというように、努力しても結果の出ない時があります。
不動産も同じで、一生懸命勉強して、今度は買い付けを入れたりいろいろしているのですけれども、買えない時代があるんです。なかなか買えないけれども、あるときポンと買える時が来るのです。そういう時に意欲を持つには、成功曲線というのがあるんだという事を知っておくだけで違います。
最後に考え方というところですね。これはやる気、やり方、考え方の中で一番大切なのは考え方だと思うんですね。
プラス思考。
私は「スーパープラス思考」と言っているのですけれども、常に物事をプラスにプラスに考えていく。
要は、良い事が起こった時は「もっといい事が起こるだろう」と割あい考えやすいのですけれども、実は悪い事が起こった時には、「これはいい勉強になった。自分の成長に役に立つ。よかった」と考えるんですね。そうすると、悪い事はなくなるわけです。常に物事をプラスに考えます。
最初はなかなかできません。「そうは言っても」と言いたくなるのですけれども、うまくいかなかったことや、買い付けに失敗したら、「次にこういうふうにすればいいんじゃないか。自分の成長に役に立って良かった」というふうに常に考えていくと、気持ちがめげずにプラスで明るい気持ちになっていくので、大切な事かなと思います。
ダメな事や失敗は僕もたくさんしているのですが、失敗が自分の成長の糧になるのですね。失敗を「ああ、失敗してしまった」と思ってそのままにしてしまうと、本当の失敗になってしまうのですけれども、失敗を糧にして成長をしていくと、実は大きなプラスになってくるのも事実なので、常にプラス思考をするという事は大切な事かなというふうに思います。
やる気、やり方、考え方。
この成功の法則をやられていくと成功し続けることができると思います。私もそうなるかどうかは分からないのですけれども、自分はそう信じて、明るい未来に向けて一生懸命楽しくやっていきたいと思っています。
――本日はお忙しい中ありがとうございました。