木造と鉄骨造では耐用年数が12年も違う!?鉄骨造の4つの基本構造と耐用年数

この記事の目次
はじめに
◆鉄骨造の建物と云えば、オフィスビルや商業施設を思い出す人がいらっしゃるかもしれません。しかし、それ以外にも住宅にも鉄筋造の建物があることをご存知でしょうか。
今回は、その鉄骨造の建物の耐用年数についてお話ししましょう。
そもそも耐用年数って何?
◆そもそも耐用年数とは何のことでしょう?
不動産投資における耐用年数とは、建物の使用可能年数のことを示します。
税務上、減価償却費の算定基準として、財務省令で定められた法定耐用年数があります。
ただし、法定耐用年数は、建物の構造、用途によって異なる算定基準なので、一概に法定耐用年数がそのまま建物の寿命といったことではありません。
鉄骨造は最近は一般住宅でも使われているようになってきている
◆鉄骨造の耐用年数について触れたいところですが、そもそも鉄骨造とは何なのかについてお話しする必要があります。
そもそも鉄骨造は、デパートやオフィスビルなどと云った商業用施設や、学校や消防署などと云った公共施設に主に使われています。しかし、最近はその製造ノウハウを活かす形で一般住宅などにも使われ始めています。
住宅と云えば、木造用の住宅を連想させる方がいらっしゃることでしょう。しかし、最近では住宅にも鉄骨造のが増え始めています。
間口が狭く地盤に大きな問題がない土地が適している
適してる土地と云えば、間口が狭く地盤が大きな問題が無い事でしょう。一般的には軽量鉄骨(厚さ6mm未満)が使用されています。
最近増えている大手住宅メーカーが作っている鉄骨の家は軽量鉄骨が使われています。
鉄骨造のメリット1 重量鉄骨造は太い柱を使うので間取りの自由度が広がる
また、重量鉄骨造は厚さ6mm以上の鋼材を使いますので、柱が少なくなり間取りの自由度が軽量鉄骨よりもあることがメリットです。また、3階建て以上の建物に使われることが多いでしょう。
鉄骨造のデメリット1 基礎地盤が頑丈でなければならず、基礎工事のコストが高めになる
デメリットは、鉄骨そのものの重量が重いため基礎地盤が頑丈でなければならず、基礎工事のコストが若干高めになることがデメリットです。
鉄骨造には4つの作り方がある
①軽量鉄骨軸組立法・軽量鉄骨ラーメン工法
前者については、作り方は木造住宅と変わりません。基本的な原理は木造住宅と一緒と思えばいいでしょう。柱や梁、それに筋交いを使いますのでプレース工法とも言います。筋交いを省略したのがラーメン工法で、柱や梁をひとまとめにして組み立てる工法があります。
軽量鉄骨自体は工場で大量生産されますので、制度や品質が安定しているのが特徴です。しかし、それ自体規格化されていますので増改築やリフォームの際、作業が非常に難しくなったり、自由度が低いのがデメリットと云えるでしょう。
②軽量鉄骨ユニット工法
所謂プレハブ工法で、工事現場などで見かける事があるプレハブ小屋も基本的には、この工法で作られています。工場で予め作られた部品を現地へ運び、ボルトやナットなどで組み立てていく工法です。しかし、狭い道路では運搬が困難で作りにくいといったデメリットがあります。
③重量鉄骨ラーメン工法
構造がシンプルが故に、組立制度が高く工期が短縮出来る事や品質そのものが均一されたものであることです。デメリットはコストが割高になることです。
④重量鉄骨ユニット工法
これもプレパブ工法ですが、軽量鉄骨ユニット工法とほとんど変わりませんが、違いは鉄骨の厚さ(6mm以上)であることです。
鉄骨造の耐用年数
◆次に、鉄骨造の耐用年数についてお話ししましょう。
鉄骨造のメリット2 一般的に耐久年数が高い、防火性や耐震性にも優れている
鉄骨造の耐用年数は、軽量鉄骨造が27年、重量鉄骨造が34年、木造が22年と定められています。木造と重量鉄骨造で比べると重量鉄骨造のほうがなんと12年も耐久年数が長いという結果に。耐火性や耐震性にも優れているのがメリットで、鉄筋を使ってるため家そのものが頑丈な作りであることを物語っています。
鉄骨造のデメリット2 木造と比べ風が通しずらい
しかし、木造と比べ風通しがしづらい事から夏は暑く冬は寒くなり、快適な生活を送るのならば結局、エアコンに頼ることになります。
耐用年数はあくまで目安。メンテナンスやまわりの環境によっても変わってくる
建物の法定耐用年数についてですが、これはあくまで目安であることを理解していただきたいのです。
不動産を購入する際に耐久年数が長いほうが長く融資が組めるなどの有利な面もありますが、実際のところは木造であっても木の材質やメンテナンスしだいでコンクリート以上に長もちする場合もあります。あくまでも税務署の目安として定められたものであり、建物の寿命とはいえないということを頭に置いておきましょう。