必要な保険の選び方、見極め方

はじめに
「銀行員は高給取りだから、高額の生命保険に入っているのでしょうね」
そう思っている人は多いでしょう。
しかし、実際にはほとんどの銀行員は、国民共済や月々の支払いが安価な掛け捨ての保険にしか入っていません。
それはなぜか?
銀行員は、同じ金融業界にいるため、生命保険会社の「お金儲け」の仕組みを見抜いているからです。
同じ金融業界からの視点
みなさんもご存じのように、生命保険会社のオフィスは、ターミナル駅の前の立派なビルの中にあります。
中に入ってみれば、きれいに飾り立てられた受付があり、贅沢なつくりの執務フロアがあり、
そこで働く社員の給与水準は高い・・・。
つまり、それくらい儲かっているということなのです。
銀行員は、「生命保険会社の勧める商品は、自分たちが儲けるためのもの」
ということをよ~く知っています。
銀行員も同じようなことを業務の中で行っているからです。
同じ発想を持っているだけに、すぐにそのことに気づくわけです。
そんなわけで、銀行員は、必要がない保険には入らないと決めている人が多いのです。
銀行員もすすめる3つの保険
そんな、目ざとい銀行員が「これだけに入っていれば大丈夫」
と考える3つの保険を紹介します。
団体信用保険
住宅ローンの返済の途中で死亡・高度障害になった場合に、
本人に代わって保険会社が住宅ローンの残高を支払ってくれるという保険です。
家を購入する際にこれに入っておけば、万が一の場合にも、家だけは家族に残すことができます。
つまり、これに加入しておけば、多額の生命保険はなくても大丈夫ということになります。
遺族基礎年金
世帯主が死亡した場合に、遺族に給付される公的な遺族年金制度です。
諸外国に比べても手厚い内容になっています。
この制度もあるので、ますます生命保険の必要性は低くなります。
高額療養費制度
たとえば医療費が100万円かかる治療を受けても、
一般的な所得層なら月に約9万円の負担で済むという制度です。
これがあれば、高い保険料の医療保険に入る必要はありません。
どうでしょう?
この3つにさえ入っておけば、積み立て型の保険に入る必要はないと思いませんか。
さまざまな種類の保険
保険には、さまざまな種類があります。
それぞれが利用者側の何らかのニーズに応える形でできてきたものですから、
一概にすべてを否定することはできません。
ただ、保険というのは月々の支払額はそんなに高いものではないにしても、
ほぼ一生にわたって支払う額を考えると「マイホーム」の購入に匹敵するくらい、
人生において「大きな買い物」であることをしっかりと認識し、吟味する必要があります。
安易な気持ちで始めてしまうと、
人生にとって大きなマイナスとなる可能性もありますので十分に注意してください。
積立保険の金利に関して言えば、銀行の定期預金よりは少しは高めの金利ですが、
保険の場合は期間の制限がついてくるため、中途解約をすると損をするというリスクがあります。
目的や使用時期が明確でない場合は、保険よりは貯蓄の方が安心です。
ひとつだけ保険のメリットを挙げるとしたら、
年末調整時や確定申告の際の節税対策になることくらいです。
死亡時の生命保険についても、いろいろなタイプのものがあります。
以前、多かったのは、保険加入時以降は何歳で亡くなったとしても
定額が受け取れるタイプの保険です。
ですが、保険による保障が絶対に必要なのは、
例えば「世帯主が若くして死んでしまったが、子どもがまだ小さい」という場合です。
子どもが大きくなっていれば、手厚い保障は特に必要ではありませんので、
そのために月々の支払額の負担が大きくなるのは避けたいという考え方が最近では増えてきました。
それに対応する形で、年齢を重ねるごとに受取額が減るタイプの保険も出てきました。
この場合、総支払額は少なくなります。
まとめ 保険を見直そう
これまでは、会社に出入りする保険会社の営業ウーマンや友人・知人の紹介で
保険に加入するという人が多かったようですが、
最近では複数の保険会社の保険商品を比較しながら案内をしてくれるような
第三者的な目線の機関も増えてきました。
そういったサービスも利用してもいいですし、
とにかく情報集めを念入りに行って、自分にとって今後どのような保障が必要なのかを
じっくり考えて保険を選ぶようにしてください。