3歳児健診で様子見と言われたら|親ができることと相談先
「お友だちとの関わりを、もう少し様子を見ましょうか」
「目の検査、もう一度くわしく見てもらいましょう」
3歳児健診でそう言われて、家に帰ってからも気になっている。
園の先生には特に何も言われていないのに、と戸惑っている。
そんな方に向けて書きました。
先にお伝えしたいのは、健診で言われたことは「何かが決まった」という意味ではないということです。
次に何を確かめるのかを知っておけば、待つ時間は「お子さんをよく見る時間」に変わります。
3歳児健診で見ていること
3歳児健診(正式には「3歳児健康診査」)は、母子保健法第12条で、市区町村が行わなければならないと定められている健診です。対象は、満3歳を過ぎて4歳になるまでのお子さんです。[1]
受ける時期は自治体によって違います。たとえば「3歳1か月頃」としている区もあれば、「3歳6か月になる月」「3歳7か月から4歳未満」としている市もあります。[5][6][9]
国の決まりでは、3歳児健診で見る項目として、体の発育や栄養のほか、目、耳・鼻・のど、歯、精神発達の状況、言語障害の有無、育児上問題となる事項などが挙げられています。[2]
1歳半健診の項目にはない「目」と「耳・鼻・のど」が加わっているのが、3歳児健診の特徴の1つです。[2]
国(こども家庭庁)が示している3歳児健診の問診票の例には、たとえば次のような質問があります。[3]
- 同じ年ごろのこどもと会話ができるか
- ことばが遅れているという心配はあるか
- 何でも自分でしたがるか
- ほぼこぼさないで、ひとりで食べるか
- 昼間のおしっこを、前もって知らせるか
同じ問診票には、「3歳から4歳頃までの多くのこどもは、『他のこどもから誘われれば遊びに加わろうとする』ことを知っていますか」という質問もあります。[3]
3歳ごろは、家族だけでなく、同じ年ごろの子との関わりが少しずつ広がっていく時期です。
健診でも、そうした育ちを一緒に見ています。
目と耳の検査 ─ 3歳だからこそ見ること
目:家での視力検査と、会場での屈折検査
国の案内文の例では、子どもの目の機能は生まれてから発達を続け、6歳ごろにほぼ完成すること、そして強い遠視・近視・乱視や斜視があると目の機能の発達が遅れ、十分な視力が得られないことがあるため、早く見つけることが大切だと説明されています。
また、3歳になると、練習をすれば視力検査ができるようになるので、家で視力検査をして、その結果を健診に持ってきてほしい、と書かれています。[3]
さらに最近は、健診の会場で屈折検査(専用の機械で目の状態を調べる検査)を行う自治体が増えています。
国は令和4年度から、市町村が屈折検査の機器をそろえる費用を補助していて、令和4年度の時点で、3歳児健診の視覚検査に屈折検査を取り入れている市町村は77.1%だったと答弁しています。[4]
たとえば、専用の機器で集団健診に来た子全員に検査をしている市、必要な子には視能訓練士が視力を測る市などがあります。[7][8]
家での視力検査がうまくできなくても、会場で別の方法で確かめてもらえることがあります。
耳:聞こえと、ことばのつながり
国の案内文の例では、耳はことばの発達にとって大切なはたらきをしていること、この年齢でかかりやすい中耳炎の中には痛みを訴えないために気づきにくいものがあり、聞こえにくい状態が長く続くと、ことばの発達に影響が出てくることがある、と説明されています。[3]
健診の前に、家で「ささやき声」で絵を指さしてもらう聞こえの確認や、耳のアンケートをお願いしている自治体もあります。[3][6][8]
アンケートには、「園の保育士など、お子さんに接する人から、聞こえにくいと言われたことがあるか」という質問も入っています。[3]
ことばのことが気になって「様子見」と言われたときも、聞こえの確認を一緒にしておくと、相談のときの材料が増えます。
「様子見」「経過観察」「要精密」のちがい
健診のあとに言われることばは、いくつかあります。
国が示している3歳児健診の記録用紙の例では、判定の欄に「異常なし」「既医療(すでに病院にかかっている)」「要経過観察」「要精密検査」といった区分が並んでいます。経過観察には「( か月位)」と、次に見る時期を書き込む欄もあります。[3]
おおまかに言うと、次のような違いです。
| 言われたこと | どんな意味か |
|---|---|
| 「様子を見ましょう」「経過観察」 | 時間をおいて、もう一度一緒に見ましょう、という意味。診断がついたわけではない |
| 「精密検査を受けてください」 | 健診の短い時間では分からないことを、専門の場所でくわしく確かめましょう、という意味 |
ただし、健診の場でどんな言い方をするか、そのあと何を案内するかは、自治体によって違います。
同じ「様子見」でも、次の健診や相談の日が決まっている場合もあれば、「気になったら連絡してください」という場合もあります。
もう1つ、知っておくと少し気持ちが楽になることがあります。
国の記録用紙の例には、お子さんの判定とは別に、「子育て支援の必要性」を見る欄があり、問診票にも「育児は疲れますか」「育てにくさを感じていますか」といった、親御さん自身についての質問があります。[3]
3歳児健診は、お子さんだけでなく、親の大変さも一緒に受けとめる場でもあります。
健診のあと、どんな流れになる?
自治体の公式ページで確認できた例を3つ挙げます。
- 仙台市:健診の結果、必要な場合に、体・聞こえ・目・尿・精神発達の面それぞれで「精密健康診査」を案内しています。精神発達の面は、市の発達相談支援センターで行うとされています。また、「不安なこと、心配なことがあったら、健診のときや健診後も」区役所に相談してください、と書かれています。[5]
- 柏市:健診の結果や相談の内容によって「後日連絡することがあります」とあり、必要な場合には小児科の診察や発達相談を行うとしています。「健診後にお困りなことがあればいつでもご相談ください」とも書かれています。[6]
- 文京区:3歳児健診のページから、発育や発達に心配のある子を対象にした予約制の「発達健診」や、ことばの発達や遊び方・関わり方などを心理相談員に相談できる「心理相談(子育て相談)」につながっています。[10]
ほかにも、健診の結果などにより「必要な方には、発達相談、精密健康診査等を行います」と案内している市があります。[11]
共通しているのは、健診のあとも、相談の窓口は開いているということです。
連絡を待つだけでなく、こちらから「先日の健診で様子見と言われたのですが」と電話してもかまいません。
待っているあいだに、親ができること
1. その日のうちに、3つだけメモしておく
- 何について言われたか(ことば・関わり・目・耳など)
- 次は、いつ・どこで見てもらうのか
- 連絡は、こちらからするのか、待つのか
時間がたつと、言われたことはあいまいになりがちです。
分からなかったところは、保健センターに電話で聞き直して大丈夫です。
2. 園や、集団の場での様子を聞いてみる
健診の会場は、短い時間・慣れない場所です。ふだんの様子がその場で出ないことはよくあります。
園に通っているなら、先生に「お友だちとの遊びの中ではどうですか」と聞いてみてください。
まだ園に通っていない場合は、支援センターや公園など、同じ年ごろの子がいる場での様子を見ておくと、相談のときの材料になります。
3. 「できていること」も一緒に書いておく
気になることだけでなく、
- 好きな遊びに、どれくらい集中できるか
- 困ったとき、どうやって大人に伝えてくるか
- 「自分でやる!」と言うのは、どんな場面か
といった、できていること・好きなことも、日付と一緒にメモしておいてください。
次の健診や相談で、そのメモがいちばん役に立ちます。
4. 次に確かめる日を、自分でも決めておく
案内された時期があれば、それをカレンダーに入れておく。
特に案内がなければ、「年度が変わるまでに一度相談する」のように、自分で区切りを決めておくと、もやもやが少し軽くなります。
迷ったら
「様子見でいいのか、動いたほうがいいのか分からない」
「健診で言われたことを、誰かと一緒に整理したい」
そんなときは、ひとりで抱えずに、話しながら考えてみてください。
▶ 就学前のお子さんのことなら:無料個別相談(オンライン・約30分)
公認心理師(Oya-school 監修・主任講師)の監修のもと、お話を伺います。
うまく説明できなくて大丈夫です。聞いて、持ち帰っていただくだけで大丈夫です。
https://oya-school.jp/soudan
心配ごととは別に、「この子にどんなふうに育ってほしいか」を一度ことばにしておくと、
迷ったときの軸になります。
▶ 「こんな子に育ってほしい!」が3分で言葉になる「願いタイプチェック」(無料)
https://oya-school.jp/check
※個別相談は、医療行為(診断・治療)ではありません。医療的なご心配は医療機関にご相談ください。
参考資料
(すべて 2026-10-17 に閲覧)
- 母子保健法 第12条(e-Gov法令検索)── 市町村は「満三歳を超え満四歳に達しない幼児」に健康診査を行わなければならない
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141 (e-Gov法令API で条文を確認) - 母子保健法施行規則 第2条(e-Gov法令検索)── 第1項(1歳6か月児)と第2項(3歳児)の項目。3歳児には「眼の疾病及び異常の有無」「耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無」が加わる/「精神発達の状況」「言語障害の有無」「育児上問題となる事項」
https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000100055 (e-Gov法令API で条文を確認) - こども家庭庁「乳幼児に対する健康診査について」(児母発第29号・改正後全文)── 別添5「3歳児健康診査票」(判定欄:異常なし/既医療/要経過観察(か月位)/要精密検査、要紹介(要精密・要治療)、屈折の欄、子育て支援の必要性の判定)/「3歳児健康診査問診票」(問6・7・8・9・17・24・30・39 など)/別添6「3歳児健康診査のお知らせとお願い」(目の機能は6歳にほぼ完成、3歳になると練習すれば視力検査ができる、家庭での視力検査、中耳炎と聞こえ・ことば)・目と耳のアンケート・ささやき声検査
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d0eb1a48-cf1d-4f57-ac60-e55f28a5ab22/70e3f029/20251028_policies_boshihoken_nyuyojikenshin_07.pdf - 衆議院「三歳児健診への屈折検査機器の導入及び弱視の早期発見・治療に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質213第144号・令和6年6月21日)── 令和4年度から市町村の屈折検査機器等の整備費を補助/令和4年度に屈折検査を導入していると回答した市町村の割合は77.1%
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b213144.htm - 仙台市「3歳児健康診査」(更新日 2026年7月17日)── 対象は3歳7か月から4歳未満/令和5年10月から健診会場で屈折検査/精密健康診査(身体、聴覚、視覚、尿、精神発達面)/精神発達面は発達相談支援センター(アーチル)/「不安なこと、心配なことがあったら、健診のときや健診後も」区役所家庭健康課・総合支所保健福祉課へ
https://www.city.sendai.jp/kodomo-chiiki/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/nyuyoji/3saiji.html - 柏市「3歳児健康診査」(更新日 令和8年3月17日)── 3歳6か月になる月が対象月/眼の屈折検査/家庭で視力検査・ささやき検査/必要な場合に小児科診察・発達相談等/「健診結果や相談内容により、後日連絡することがあります」「健診後にお困りなことがあればいつでもご相談ください」
https://www.city.kashiwa.lg.jp/boshihoken/haguhagu/navi/iryokenko/shindan/3sai.html - 船橋市「3歳児健康診査」(更新日 令和8年10月1日)── 3歳4か月以降から4歳になる前日まで/スポットビジョンスクリーナーによる屈折異常及び斜視のスクリーニングを集団健診の来所者全員に
https://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/kenkou/001/p083840.html - 松戸市「3歳児健康診査(集団健診)」(更新日 2026年2月1日)── 3歳5か月から4歳になる前日まで/眼の検査(両眼開放型オートレフラクトメーター)/必要な子には視能訓練士による視力測定/事前に自宅で視力検査・聴力検査/保健師・管理栄養士または栄養士・心理士の相談(必要な方)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/kosodatenavi/shussanshitara/0sai/3saiji-kensin.html - 練馬区「3歳児健康診査」(更新日の記載なし)── 3歳1か月頃/視能訓練士による視力検査(屈折検査)/視力・聴力アンケート検査/発達相談・心理相談
https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/nyuyoji/kenkoshinsa_3/index.html - 文京区「3歳児健康診査」(更新日 2026年4月10日)・「発達健診」(同 2026年3月26日・区内在住で発育、発達等で心配のある乳幼児・予約制)・「心理相談(子育て相談)」(同 2024年5月8日・言葉の発達、子どもとの遊び方・関わり方などを心理相談員に・要予約)
https://www.city.bunkyo.lg.jp/b029/p001581.html / https://www.city.bunkyo.lg.jp/b029/p001583.html / https://www.city.bunkyo.lg.jp/b029/p001585.html - 大阪市「3歳児健康診査」(更新日 2025年11月10日)── 概ね3歳6か月頃/眼科屈折検査/「各診査の結果等により必要な方には、発達相談、精密健康診査等を行います」
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000370534.html