発達検査の結果を聞く日、何を聞けばいい?|持っていきたいメモ
「結果の説明は、◯日です」
そう言われてから当日まで、落ち着かない日が続いていませんか。
何を言われるのだろう。聞きたいことは山ほどあるのに、その場になると頭が真っ白になりそう。
帰り道で「あれを聞けばよかった」と思うのは、とてもよくあることです。
この記事では、結果を聞く日の前に知っておきたいことと、メモして持っていきたい質問をまとめました。
結果の伝え方は、受けた場所によって違います
まず知っておくと安心なのは、結果の伝え方は、検査を受けた機関によって違うということです。
公的な機関の案内を見ても、たとえば次のように分かれています。
- 面談(1時間ほど)で口頭で説明する。検査の種類によっては、説明まで数週間かかる
- 保護者が申請すると、後日、結果を書面で渡す
- 結果は紹介元の医療機関に送られ、保護者が書面を希望する場合は別に費用がかかる
「紙をもらえなかった」「口頭だけだった」というのは、その機関のやり方であることも多く、親の聞き方が悪かったわけではありません。
書面がほしいときは、遠慮せずに「いただけますか」と聞いてみてください。
当日、聞いておきたいこと
全部を聞く必要はありません。気になるものに印をつけて、メモを持っていきましょう。
1. この子の「得意なこと」は何ですか
結果の説明は、どうしても「苦手なところ」が中心になりがちです。
でも検査は、得意なこと・苦手なこと、そのバランスを知るためのものでもあります。
得意なことから先に聞くと、そのあとの話も落ち着いて聞きやすくなります。
2. 家では、何をすればいいですか
「わかった」で終わらせず、明日から家でできることを1つか2つ、具体的に聞いておくと役に立ちます。
たとえば「声のかけ方」「やることの見せ方」「待ち方」など、毎日の場面に落として聞いてみてください。
3. 検査の日のこの子は、いつもどおりでしたか
緊張していた、眠そうだった、途中で疲れた——検査の日の様子は、結果に影響することがあります。
検査をした人が見た「その日の様子」と、家での様子が違うと感じたら、それもそのまま伝えてください。
ふだんの様子を知っているのは、親です。
4. 結果を、紙でいただけますか
あとで読み返したり、園や学校、ほかの相談先に見せたりするときに、書面があると助かります。
いただけない場合は、「どこまでなら書いてもらえるか」「メモを取ってもいいか」を聞いておきましょう。
5. 次は、いつ・どこに相談すればいいですか
結果を聞いて終わりではなく、次の相談先を聞いておくと、帰ってから迷わずにすみます。
「もう一度話を聞いてもらえる窓口はありますか」「様子を見るなら、いつごろもう一度相談すればいいですか」と聞いてみてください。
6. 園や学校に、どう伝えればいいですか
結果を園や学校に伝えるかどうか、どこまで伝えるかは、保護者が考えて決めていいことです。
公的な相談機関の中には、保護者の了解を得たうえで学校や園と支援の方向性を共有する、と案内しているところがあります。園の先生と一緒に結果を聞ける機関もあります。
伝え方に迷ったら、「園(学校)には、どう伝えるとよいですか」と、その場で聞いてみてください。
数字だけで、この子を決めない
検査の結果には、数字やグラフが出てくることがあります。
けれど、その数字だけで、お子さんのことが決まるわけではありません。
文部科学省の手引でも、検査でとらえきれない状態は少なくなく、検査のときの条件によって状態が変わることもあるとして、検査の数字は、その数字だけを切り離して判断しないよう書かれています。
知能検査について書かれた専門の論文でも、得意・不得意の凸凹(でこぼこ)がある子どものほうが多く、数字は日常の様子や検査のときの様子と照らし合わせて初めて意味を持つ、と述べられています。
結果は、お子さんに「ラベルを貼る」ためのものではなく、関わり方を考えるための材料です。
就学の相談でも、親の思いは大事にされます
小学校入学を前に、就学の相談の中で検査を受けることもあります。
文部科学省は、就学先は本人と保護者の意見を最大限尊重し、十分な説明と話し合いを経て決める、としています(最終的に決めるのは市町村の教育委員会です)。
検査の結果は、決めるための材料の1つです。わからないことや、納得できないことは、そのまま相談の場で伝えて大丈夫です。
書面がほしいのに、いただけなかったとき
その場で書面をもらえなかったときも、あとから頼める道があります。
個人情報の保護に関する法律では、本人は自分の情報の開示を求めることができ、未成年の子どもの場合は、親(法定代理人)が求めることもできます。民間の病院やクリニックにも、公的な機関にも、それぞれの手続きがあります。
ただし、本人の心身に悪い影響が出るおそれがある場合などには、全部または一部が開示されないこともあります。
まずは受けた機関に「結果の書面をいただくには、どうすればいいですか」と相談してみてください。
結果の紙を、ひとりで読まなくていい
結果の紙をもらっても、ことばや数字の意味を、ゆっくり聞く時間はなかなか取れません。
帰ってから「結局、家で何をすればいいんだろう」と思ったら、誰かと一緒に読むのも1つの方法です。
Oya-schoolでは、学校でWISC(知能検査)を担当してきた公認心理師が、お手元の結果を一緒に見ながら、家での関わり方を考える時間をつくっています。
▶ まずは30分、気になっていることを話してみる(オンライン・無料)
https://oya-school.jp/soudan
▶ 結果の紙(報告書)を一緒に読む(子育てカウンセリング・約60分)
https://oya-school.jp/counseling#kensa
※個別相談・カウンセリングは、医療行為(診断・治療)ではありません。検査の実施も行っていません。医療的なご心配は医療機関にご相談ください。
参考資料
(すべて 2026-10-22 に閲覧)
- 焼津市「発達検査」── 新版K式とWISC-Vを実施/結果は面談(1時間程度)で説明/WISC-Vは結果説明まで約3週間/所属園の先生と一緒に結果を聞ける/検査は得意・苦手とそのバランスを知るためのもので、診断をするためのものではない
https://www.city.yaizu.lg.jp/child-edu/kodomo/mokuteki/kodomo-sodan/kodomo-katei_sodan/kodomo-hattatsukensa.html - 岡山市「こども総合相談所」・「検査結果等情報提供の流れについて」── 保護者の申請で、約2週間後に「検査結果等情報提供書」を渡す
https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000004451.html - 国立国際医療センター 小児科「発達・知能検査のご案内」── 結果は紹介元へ郵送/希望すれば保護者にも結果を渡せる(別途費用)
https://www.hosp.jihs.go.jp/s015/150/index.html - 大津市「こども発達相談センター」── 保護者の了解を得たうえで学校や園と連携/就学時は文書で小学校に申し送り
https://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/015/1427/g/1422344926146.html - 文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」第3編 Ⅲ 知的障害 ── 検査の数字は、その数字だけを切り離して判断せず、ほかの情報と合わせて考える
https://www.mext.go.jp/content/20211014-mxt_tokubetu02-000018454_07.pdf - 大六一志「知能検査の"正しい"理解」『発達障害研究』43巻1号(2021)── グラフに凸凹がある子どもが大半/数値は日常の様子や検査中の行動観察と照らし合わせて解釈する
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasdd/43/1/43_26/_pdf/-char/ja - 文部科学省「障害のある子供の就学先決定について」── 本人・保護者の意見を可能な限り尊重し、合意形成を図ることが原則/最終的な決定は市町村教育委員会
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422234.htm - 文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」第1・2編 ── 就学先は本人・保護者の意見を最大限尊重しつつ、十分な説明と合意形成を経て決定/保護者には成長した点や家庭でできる配慮も伝える
https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_tokubetu01-000016487_01.pdf - 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-8-2・3-8-7 ── 保有個人データの開示請求/未成年者の法定代理人も請求できる/不開示にできる場合
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/ - 個人情報保護委員会 Q&A(行政機関等編)Q5-3-2 ── 法定代理人による開示請求
https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq7-q5-3-2_