発達検査は受けたほうがいい?|迷ったときに知っておきたいこと
「一度、発達検査を受けてみたら?」
健診で、園で、あるいは身近な人から、そう言われたことはありませんか。
受けたほうがいいのか。受けたら、何が変わるのか。
結果を聞くのが少しこわい。でも、何も知らないままなのも落ち着かない。
迷ったまま、何週間も過ぎてしまう方は少なくありません。
この記事では、「受けるべきかどうか」の答えを出すのではなく、決めるための材料をまとめました。
受けるかどうかは、ご家庭で決めていいことです。迷っている時間も、お子さんのことを真剣に考えている時間です。
発達検査って、どんなもの?
発達検査は、お子さんの今の発達の様子を、専門の人が決まった手順で見ていくものです。
検査にはいくつか種類があり、年齢や目的によって使う検査が違います。
たとえば、ある公的な病院の案内では、新版K式発達検査、田中ビネー知能検査、WISC(ウィスク)という3つの検査が、それぞれ別の対象年齢で紹介されています。所要時間は、検査によって30分〜90分ほどと書かれています。
どの検査を使うかは、相談の中で専門の人が判断したり、保護者と相談して決めたりします。親が検査名を調べて選んでおく必要はありません。
もう1つ、知っておくと気持ちが少し楽になることがあります。
発達検査を受けることは、診断を受けることと同じではありません。
公的な相談窓口の中には、「医療機関ではないので診断は行わない。必要に応じて心理検査(発達検査)を行い、心理学的な見立てをする」と案内しているところがあります。
また、発達の専門の支援センターの案内では、心理検査は、相談の中で生活のしづらさをつかみ、対応を考えるための資料として参考にされることがある、と書かれています。
検査は「何かを決めつけるもの」というより、お子さんへの関わり方を考えるための材料の1つと考えると、向き合いやすくなります。
どこで受けられる? ─ 多くは「相談」の中で
発達検査を受けられる場所は、地域によって違います。公的なページで確認できた例を挙げます。
- 市区町村の相談窓口(こども家庭センターなど):相談の内容から必要と判断した場合に、発達検査を行うことがある
- 教育センターの教育相談:相談を続ける中で、必要に応じて知能検査を行うことがある
- 就学相談(年長さんの時期など):就学先を考える資料として、発達検査を行う自治体がある
- 病院の小児科など:紹介状を持って予約するところもある
ここで気づいていただきたいのは、多くの場合、検査は「相談」の中で出てくるものだということです。
「検査だけをすることはありません」と案内している教育相談の窓口もあります。
保健センターの心理相談のように、まず話を聞いたうえで、必要なら専門の機関を紹介してもらえる窓口もあります。
つまり、「検査を受けるかどうか」を、最初から親ひとりで決めなくても大丈夫です。
まず相談して、専門の人と一緒に「今、検査が役に立つか」を考える。 その順番でもかまいません。
迷ったときに考えたい3つのこと
1. 何に困っていて、何を知りたいのか
「検査を受けるかどうか」より先に、今、何に困っているかを1〜2行で書き出してみてください。
発達の専門の支援センターの案内でも、受診や相談のときは「現在、生活面や対人関係などで困っていることを伝えると良い」とされています。
困っていることがはっきりすると、検査が役に立つ場面かどうかも、相談先と一緒に考えやすくなります。
2. 結果を、何に使いたいのか
- 家での関わり方のヒントにしたい
- 園や学校に、お子さんの様子を伝える材料にしたい
- 就学先を考える資料にしたい
使いみちによって、どこで受けるとよいかが変わることがあります。
たとえば就学相談では、以前に受けた検査の結果を使えることがあると案内している自治体もあります(いつまでの検査が使えるかは自治体によって違います)。
3. タイミング
同じような検査を短い間に何度も受けるのは、おすすめされていません。
ある自治体の案内では、「一般的に、再検査をする場合は1年から1年半、間をあけることが望ましいと言われています」と書かれています。
就学相談の時期には予約が集中し、検査が先になることがあるとも案内されています。
どこで・いつ受けるかを、相談先と一緒に考えておくと安心です。
受けると決めたら ─ 申し込む前に聞いておきたいこと
検査を受けたあとで困りやすいのが、「結果をどこまで教えてもらえるか」です。
申し込むときに、次の3つを確認しておくと安心です。
- 結果の紙(報告書)は、もらえる?
- 説明は、いつ・誰から聞ける?
- 園や学校には、どう伝わる?
扱いは、受ける場所によって違います。
たとえば、報告書は紹介元の病院に送られ、保護者には希望したときに渡す、という病院もあります。
就学相談では、相談を申し込むところから、就学先についての判定結果のお知らせまで、園を通じてやりとりする自治体もあります。
費用や申し込み方も、受ける場所によって違います。お住まいの市区町村の窓口や、受ける予定の機関に確認してください。
聞きにくいと感じるかもしれませんが、大切なお子さんの情報です。遠慮せずに聞いて大丈夫です。
「まだ受けない」を選ぶときも
迷った結果、「今は受けない」「もう少し様子を見てから考える」と決めることもあると思います。
それも1つの選び方です。
そのときは、次にいつ考え直すかだけ、決めておくのがおすすめです。
「次の健診のあと」「年中さんの秋」など、ざっくりで大丈夫です。
そして、気になる場面があったら、日付と一緒にメモしておく。
そのメモは、次に相談するとき、そのまま役に立ちます。
受けても、まだ受けなくても、ひとりで抱えたままにしないことが、いちばん大事です。
迷ったら
「受けるかどうか、話しながら整理したい」
「受けて結果の紙をもらったけれど、よく分からないまま」
そんなときは、専門の人と一緒に考えてみてください。
▶ 発達検査の結果、一緒に読みます(子育てカウンセリング)
WISCや新版K式などの発達検査を受けて、結果の紙をもらったけれど、よく分からないまま――そんなときに。
学校でWISC(知能検査)を担当してきた公認心理師が、お手元の結果を画面越しに一緒に見ながら、お子さんの得意なこと・苦手なことと、家での関わり方を考えます。オンライン(Google Meet・1回約60分)です。検査そのものの実施は行っていません。
受けるかどうか迷っている段階のご相談も、0歳〜高校生のお子さんの保護者なら、じっくりお話をうかがいます。
https://oya-school.jp/counseling#kensa
▶ 就学前のお子さんのことなら:無料個別相談(オンライン・約30分)
公認心理師(Oya-school 監修・主任講師)の監修のもと、お話を伺います。
うまく説明できなくて大丈夫です。聞いて、持ち帰っていただくだけで大丈夫です。
https://oya-school.jp/soudan
※カウンセリング・個別相談は、医療行為(診断・治療)ではありません。医療的なご心配は医療機関にご相談ください。
参考資料
(すべて 2026-10-15 に閲覧)
- 国立国際医療センター 小児科「発達・知能検査のご案内」── 新版K式発達検査2020/田中ビネー知能検査V/WISC-V をそれぞれの対象年齢・所要時間(30分〜60分、60分〜90分)で案内/保護者が検査を希望する場合も対象/紹介状→家族が電話予約/結果は約1か月で紹介元に郵送、希望があれば保護者に渡すことも可能
https://www.hosp.jihs.go.jp/s015/150/index.html - 神戸市「よくある質問(こどもの発達・障害に関する相談先)」── こども家庭センターは相談内容により必要と判断した場合に心理検査(発達検査)を実施し心理学的な見立てを行う/検査の種類はセンターが判断/医療機関ではないため診察・診断・服薬治療は受けられない
https://www.city.kobe.lg.jp/a46945/kosodate/sodan/center/yokuarusitumonn2.html - 栃木県 発達障害者支援センター「ふぉーゆう」よくある質問Q&A ── 診断は医療機関で/受診の際は診断だけを求めず、生活面や対人関係などで困っていることを伝えると良い/心理検査は相談の中で生活のしづらさを把握し対応を考える資料として参考にする場合がある
https://www.pref.tochigi.lg.jp/e65/for-you-4.html - 江東区「教育相談」── 臨床心理士の資格を持つカウンセラーによる面接相談/「ご相談をしていく中で、必要に応じて知能検査を実施することがありますが、検査だけをすることはありません」
https://www.city.koto.lg.jp/581601/kodomo/gakko/jigyo/kyoiku/6167.html - 武蔵野市「就学相談に関するよくある質問」── かかりつけの医療機関・療育機関で検査を受けられることがある/就学相談室ではどの検査を実施するか初回面談時に心理士と保護者で相談して決定/前年5月以降の検査は利用可能(それ以前も相談可)/「一般的に、再検査をする場合は1年から1年半、間をあけることが望ましいと言われています」/就学相談の時期は予約が集中し検査が10月以降になる場合がある
https://www.city.musashino.lg.jp/shussan_kodomo_kyoiku/sho_chugakko/kyoikusodan/1043758.html - 中央区「月島保健センターの相談・健診事業」── 子育て相談(心理相談)で心理職が発達について個別に相談、必要に応じて療育機関へ紹介/0歳から就学前/健康相談は健診で経過観察が必要と判断された子が優先
https://www.city.chuo.lg.jp/smph/kenko/hokenzyo/kenkosoudan/tukisimahokensentar.html - 武雄市「武雄市における就学相談の流れ(未就学児)」── 就学相談申込書は所属園等を通じて教育委員会へ/検査結果等を持っている場合は提出/専門の心理士による知能検査(希望者)/学びの場の判定結果は所属園を通じて保護者に知らせる
https://www.city.takeo.lg.jp/kyouiku/uploads/takeosyuugakusoudan04.pdf