5歳児健診って何をする?|いつから・「気になる」と言われたら
年中さんになったころ、市から届く「5歳児健康診査」のお知らせ。
3歳児健診のあとは、しばらく健診がなかったのに、と思った方もいるかもしれません。
5歳児健診って、何をするんだろう。
受けないといけないもの?
もし「気になるところがある」と言われたら、どうなるの?
この記事では、5歳児健診で何をするのか、いつから始まったのか、そして「気になる点がある」と言われたあとどう進むのかを、こども家庭庁と自治体の案内をもとにまとめました。
5歳児健診とは
5歳児健診(5歳児健康診査)は、市町村が行う5歳ごろの子どもの健康診査です。
国の実施要綱では、対象は実施年度に満5歳になる子ども(標準的には4歳6か月〜5歳6か月)とされています。幼稚園・保育所でいうと、年中さんの年齢です。
こども家庭庁の資料には、こんな一文があります。
多くの市町村では、3歳児健診のあと、就学時健診まで健診がない。
その間を埋める健診として、国が実施を後押ししているのが5歳児健診です。
目的について、こども家庭庁が周知している「5歳児健診ポータル」では、「お子さんの健康な成長と発達を守り、もっと良くすること」と説明しています。さいたま市は、小学校入学以降、安心して登校できるよう、就学前から保健・医療・福祉・教育の各機関がお子さんに合わせたサポートを行う健診と案内しています。
義務なの? いつから始まったの?
法律で決まっているのは「1歳6か月児」と「3歳児」
母子保健法で、市町村が行わなければならないと決められている健診は、1歳6か月〜2歳の子どもと、3歳〜4歳の子どもを対象にしたもの(いわゆる1歳6か月児健診と3歳児健診)です。
5歳児健診について、こども家庭庁の資料は「法定ではなく任意健診」と書いています。
この記事で確認した国の資料(2026年10月時点で公開されているもの)には、5歳児健診を法律で義務にした、という記載はありませんでした。
国は「費用の助成」で全国に広げようとしている
国は令和5年度の補正予算で「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業をつくり、市町村が行う5歳児健診の費用を助成しています。資料では、「早期の全国展開を目指す」とされています。
つまり今は、国が後押しをして、市町村が順に始めている段階です。始まる時期は、自治体によって違います。
埼玉県では
埼玉県議会(令和7年9月定例会)の答弁では、令和7年度は県内63市町村のうち19市町村で実施されているとされています。県は「県内全市町村が令和10年度までに5歳児健診を実施できるよう、支援してまいります」と答えています。
県内の例です。
| 自治体 | 始まった時期・案内 |
|---|---|
| 川越市 | 令和6年10月から実施(市の発表) |
| 越谷市 | 令和7年度から開始(市の報告) |
| さいたま市 | 令和8年6月から、該当する家庭へ順次通知 |
お住まいの市で行っているかどうかは、市の母子保健の担当課のページで確認できます。
どこで、どうやって受ける?
国の事業では、5歳児健診は原則として集団健診とされています。
そのうえで、まず全員にアンケート(問診票)、その結果で集団健診へという「二段階方式」をとる自治体があります。
さいたま市の場合はこうです。
- 対象の子ども全員に、誕生月ごとに案内が届く
- 期間内に、電子申請で問診票(全員用)に回答する(通知が届いた全員が対象)
- 回答の結果、案内が表示された人は集団健診に申し込む
さいたま市は、集団健診は全員が受診する健診ではないと案内しています。ただし、幼稚園・保育所などに通っていない子は、問診の回答に関わらず集団健診を受診するよう書かれています。会場は区役所の保健センターなどで、費用は無料です。
越谷市も、事前アンケートのあとに集団健診を行う二段階方式です。川越市は、アンケートの回答から発達に課題があると考えられる子と、保護者が受診を希望する子を対象に健診を行う、と発表しています。また川越市は、5歳児健診を「任意による集団健康診査」としています。
受け方の細かいところは自治体ごとに違うので、届いた案内に書かれた方法を確認してください。
何をする?
国の実施要綱で決められている健診の項目は、次の6つです。
- 体の発育
- 栄養状態
- 心の発達(精神発達)の状況
- ことばの状況
- 育児のうえで困っていること(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故など)
- その他の病気・異常
さいたま市の集団健診では、身体計測・問診・集団遊び・診察・専門相談を行います。専門相談は、保健師(育児)、管理栄養士(栄養)、心理職(心理)、作業療法士(あそび)、言語聴覚士(ことば)が対応すると案内されています。
5歳児健診ポータルでは、事前に家で記入した問診票を、会場で保健師や医師と一緒に確認すること、所要時間は1〜2時間ほどであることが説明されています。
ふだん気になっていることがあれば、問診票や相談の場で、そのまま書いたり話したりして大丈夫です。
案内が届いたら、まずやること
1. 問診票の回答期日を確認する
さいたま市では、問診票(全員用)の回答期日が誕生月ごとに決まっていて、案内に書かれています。集団健診に申し込む場合は、さらに問診票(集団用)にも回答します(さいたま市の案内では、目安は10分程度)。
健診の日に都合がつかないときなどは、健診を行っている市町村に問い合わせてください(5歳児健診ポータルも、そう案内しています)。
2. 園での様子を思い出しておく
問診票には、家での様子だけでなく、集団の中での様子を思い浮かべながら答える場面もあるかもしれません。
答える前に、こんなことをメモしておくと書きやすくなります。
- 園の先生から言われたこと(よかったこと・気になること)
- 家で困っている場面と、うまくいっている場面
- 親として、いちばん聞いてみたいこと
「こんなことを書いたら大げさかな」と迷うことも、相談のきっかけとして書いておいて大丈夫です。
3. 子どもには、ふつうに伝える
健診の前に、特別な練習は必要ありません。「からだの大きさをはかったり、先生とお話ししたりする日だよ」くらいの、いつもの言葉で伝えておけば十分です。
「気になる点がある」と言われたら
健診で「少し気になるところがあります」と言われると、頭が真っ白になるかもしれません。
まず知っておきたいのは、5歳児健診ポータルにある次の2つの説明です。
- 「5歳児健診では発達障害かどうかを診断することはありません。」
- 気になる状態があると言われても、すぐに医療機関を受診したり、専門の治療を始めたりするわけではない
ポータルでは、発達について心配がある場合は、専門相談として心理発達相談が設置されているとも書かれています。
国は市町村に対して、健診の結果を就学前までに必要な支援につなげられるよう、地域の支援体制を整えることを求めています。川越市は、支援が必要な子には関係機関が支援を行い、健診から一定期間たったあとに支援の状況を確認すると発表しています。
言われたその場で、次のことを聞いておくと、あとで整理しやすくなります。
- どんな場面の、どんな様子が気になったのか
- 次は、いつ・どこで・誰に相談すればいいのか
- 園の先生に伝えたほうがいいことはあるか
3歳児健診で「様子見」と言われたときの考え方は、こちらにまとめています。
▶ 3歳児健診で様子見と言われたら|親ができることと相談先
https://oya-school.jp/column/after-3-year-checkup
検査を受けて、その結果を聞きに行くときのメモはこちらです。
▶ 発達検査の結果を聞く日、何を聞けばいい?|持っていきたいメモ
https://oya-school.jp/column/questions-for-test-results
就学時健診とのちがい
5歳児健診と名前が似ているのが、就学時健診です。
就学時健診は、翌年の4月に小学校に入学する子どもを対象に、市区町村の教育委員会が行う健康診断で、学校保健安全法で行うことが決められています。年長さんの秋ごろに行われるものです。
5歳児健診は、それより前の年中さんのころに、市町村の母子保健の担当が行う健診です。入学までの時間があるうちに、困りごとを相談できる機会と考えるとよいかもしれません。
就学時健診については、こちらにくわしくまとめています。
▶ 就学時健診、何をする?|「再検査」「就学相談」と言われたら
https://oya-school.jp/column/shugakuji-kenshin
迷ったら
「健診で言われたことを、どう受け止めたらいいかわからない」
「相談をすすめられたけれど、何から話せばいいのか」
そんなときは、誰かと一緒に整理してみるのも1つの方法です。
Oya-schoolでは、学校でWISC(知能検査)を担当してきた公認心理師が、ご家庭の様子を伺いながら、就学に向けて家でできることを一緒に考えています。
▶ まずは30分、気になっていることを話してみる(オンライン・無料)
https://oya-school.jp/soudan
※個別相談は、医療行為(診断・治療)ではありません。健診の結果について判断することはありません。医療的なご心配は医療機関にご相談ください。
参考資料
(すべて 2026-10-28 に閲覧)
- 母子保健法 第12条・第13条(e-Gov法令検索)── 市町村は満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児・満3歳を超え満4歳に達しない幼児に健康診査を行わなければならない/それ以外は必要に応じて健康診査を行い、または勧奨する
https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141 - 学校保健安全法 第11条(e-Gov法令検索)── 市町村の教育委員会は翌学年の初めから就学させるべき者の就学に当たって健康診断を行わなければならない
https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000056 - こども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」── 1か月児健診・5歳児健診は国庫補助/支援事業の一覧/5歳児健診ポータルへのリンク
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/nyuyojikenshin - こども家庭庁「「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業」(令和5年度補正予算の事業概要)── 5歳児健診は原則として集団健診/健診内容/就学前までに必要な支援につなげる体制整備
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/ff38becb-bbd1-41f3-a95e-3a22ddac09d8/6a0d17f1/20231129_policies_boshihoken_136.pdf - こども家庭庁 第7回こども家庭審議会成育医療等分科会 資料2「母子保健に関する最近の動きについて」(令和7年12月25日)── 「早期の全国展開を目指す」/5歳児健診は法定ではなく任意健診
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/cad304cb-d814-4ff9-bb81-e177cc279ea7/7c9e6a12/20251225_councils_shingikai_seiiku_iryou_cad304cb_04.pdf - こども家庭庁 母子保健課「5歳児健診の意義と実施体制について」(令和7年度母子保健指導者養成研修・令和7年8月25日)── 実施要綱の抜粋(対象・項目)/3歳児健診以降、就学時健診まで健診がない
https://boshikenshu.cfa.go.jp/assets/files/tr/r7/tr1-1_description_2.pdf - こども家庭庁 事務連絡「令和7年度改訂版5歳児健康診査マニュアル等の周知について」(令和7年11月25日)── 二段階方式/5歳児健診ポータルの周知
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d0eb1a48-cf1d-4f57-ac60-e55f28a5ab22/9380d413/20251125_policies_boshihoken_nyuyojikenshin_22.pdf - 5歳児健診ポータル「保護者の方へ」(こども家庭科学研究費補助金による研究事業・supported by こども家庭庁)── 目的/問診票を会場で確認/所要時間/診断はしない/心理発達相談
https://gosaiji-kenshin.com/for-parent/ - 埼玉県議会「令和7年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小川直志議員)」(速報版)── 令和7年度は63市町村のうち19市町村で実施/県内全市町村が令和10年度までに実施できるよう支援
https://www.pref.saitama.lg.jp/e1601/gikai-gaiyou/r0709/4/m/0702.html
https://www.pref.saitama.lg.jp/e1601/gikai-gaiyou/r0709/4/m/0703.html - さいたま市「5歳児健康診査のお知らせ(令和8年6月から該当する方へ順次通知します!)」── 母子保健法に基づく/対象/問診票(全員用)と集団健診/未就園児/内容と専門職/Q&A
https://www.city.saitama.lg.jp/002/001/014/007/001/p126926.html - さいたま市「5歳児健康診査」(子育て情報)── 流れ(全員に案内→問診票→集団健診)/会場/費用:無料
https://www.city.saitama.lg.jp/kosodate/shiritai/category4/p105035.html - 川越市 報道発表「5歳児健康診査の開始について」(令和6年7月19日)── 令和6年10月開始/任意による集団健康診査/対象の選び方/健診後の支援
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/014/050/5saijikenshin.pdf - 越谷市健康づくり推進課「5歳児健康診査の実施体制の構築について」(埼玉県掲載資料)── 令和7年度から開始/事前アンケート→集団健診の2段階方式
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/276983/4.pdf