1歳半健診で引っかかったら|「様子見」のあいだに親ができること

「ことばがまだ出ていないので、少し様子を見ましょう」
1歳半健診でそう言われて、帰り道からずっと気になっている。
自分では気にしていなかったのに、保健師さんに言われたら急に心配になってきた。
そんな方に向けて書きました。
先にお伝えしたいのは、「様子見」は、何もしないで待つことではないということです。
次の確認の日まで、お子さんのことをよく見て、知っていく時間です。
1歳半健診で見ていること
1歳半健診(正式には「1歳6か月児健康診査」)は、母子保健法第12条で、市区町村が行わなければならないと定められている健診です。対象は、1歳6か月を過ぎて2歳になるまでのお子さんです。[1]
健診の問診票は自治体によって違いますが、国(こども家庭庁)が示している問診票の例や母子健康手帳には、たとえば次のような質問があります。[2][3]
- ひとり歩きをしたのはいつか
- 「ママ」「ブーブー」など、意味のあることばをいくつか話すか
- 絵本を見て、知っているものを指さすか
- 何かに興味を持ったとき、指さしで伝えようとするか
- 周りの人の身振りや手振りをまねするか
- 「おいで」「ちょうだい」など、大人の言う簡単なことばが分かるか
ただ、この時期の育ちは、一人ひとりの差がとても大きい時期です。
健診の場は、短い時間・慣れない場所での確認です。ふだん家でできていることが、その場で出ないことはよくあります。
「引っかかった」は「何かが決まった」ではない
健診で「様子見」や「経過観察」と言われるのは、
「もう少し時間をおいて、もう一度一緒に見ましょう」という意味です。
診断がついたわけではありません。
一方で、「たぶん個性だから大丈夫」と言われ続けて、
ずっともやもやしたまま過ごす方もいます。
大切なのは、安心するか心配するかを急いで決めることではなく、
次に確かめる日を決めておくことです。
待っているあいだに、親ができること
1. 「できること」をメモしておく
ことばが出ていなくても、
- 「どっちがいい?」と聞くと、指で選べる
- 欲しいものがあると、手を引いて連れていく
- 名前を呼ぶと振り向く
のように、ことば以外で伝えていることがたくさんあるはずです。
スマホのメモに、日付と一緒に書いておいてください。
次の健診や相談で、そのメモがいちばん役に立ちます。
2. 「いつまで待つか」を決めておく
「1歳9か月の時点でまだなら、相談に行く」のように、
自分で期限を決めておくと、もやもやが少し軽くなります。
期限が来たときにどこへ行くかも、先に調べておくと安心です。
3. ことばを「教える」より、やりとりを増やす
ことばを言わせようとするより、
- お子さんが見ているものを、親がことばにする(「ワンワンいたね」)
- まねっこ遊びをする
- 絵本を一緒に指さしながら読む
といった、やりとりの回数を増やすことが土台になります。
どこに相談できるか
| 相談先 | どんなところ |
|---|---|
| 市区町村の保健センター | 健診をした窓口。経過観察の健診や、発達の相談日があることが多い |
| かかりつけの小児科 | 体のことも含めて相談できる |
| 児童発達支援センター・療育センター | 「発達が少し気になる」という段階から相談できる、地域の発達支援の窓口。お子さんの発達の様子をくわしく見てもらうこともできる(地域によって名前や窓口の形が違います)[4] |
| 民間のカウンセリング | 公的な窓口の予約待ちのあいだや、親の気持ちを話したいとき |
発達検査を受けるとき、最初に聞いておくといいこと
「検査を受けると、何かが決まってしまいそうで怖い」
そう感じてためらう方は少なくありません。
でも、発達検査は、お子さんの今の得意・苦手を知るための道具です。
受けるときは、最初にこう聞いておくと安心です。
- 結果を、どこまで、どんな形で教えてもらえるか
- 結果をもとに、家で何をすればいいかの話があるか
迷ったら
「様子見でいいのか、動いたほうがいいのか分からない」
そんなときは、ひとりで抱えずに、話しながら整理してみてください。
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心配ごととは別に、「この子にどんなふうに育ってほしいか」を一度ことばにしておくと、
迷ったときの軸になります。
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参考資料
- 母子保健法 第12条(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000141 (2026-10-10 e-Gov法令API で条文を確認)
- こども家庭庁「乳幼児に対する健康診査について」(児母発第29号・改正後全文)別添5「1歳6か月児健康診査問診票」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d0eb1a48-cf1d-4f57-ac60-e55f28a5ab22/70e3f029/20251028_policies_boshihoken_nyuyojikenshin_07.pdf (2026-10-10 確認)
- こども家庭庁「母子健康手帳」府令様式(令和8年4月1日施行)「保護者の記録【1歳6か月の頃】」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/909390f5-d0c0-47b9-9b9e-c343b88bde66/ce5b736e/20260409_policies_boshihoken_techou_25.pdf (掲載ページ: https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/techou ・2026-10-10 確認)
- こども家庭庁「地域における児童発達支援センター等を中核とした障害児支援体制整備の手引き 概要」(令和6年7月) https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/d3e1aeba/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_20.pdf (2026-10-10 確認)